BALLY|クリエイティブディレクターにインタビュー!
FASHION / WOMEN
2015年2月4日

BALLY|クリエイティブディレクターにインタビュー!

BALLY|バリー

クリエイティブディレクターにインタビュー!

DNAであるレザーを、アーカイブ越しにモダナイズ

実直な職人技が冴えるモノづくりに、モダンなエッセンスをくわえ、リラックス感のあるエレガンスを作り出してきたBALLY(バリー)が今年、創業160周年を迎える。昨年4月からあたらしいクリエイティブディレクターを迎え、ますます進化するバリーのいまにオンフォーカス。

文=小柳美佳

BALLYがあるべき姿にもどるために必要だったのは、深く理解すること

バリーと聞いて最初に思い浮かぶのは、スイスらしい真面目でしっかりとしたモノづくりを保守するシューメイカー。もちろん、卓越した職人技と、高級な素材づかいに確固たる信頼を置かれているブランドであることにはちがいないが、もはやエスタブリッシュされている存在として、目あたらしさから若干遠のいていたことも事実。

ところが、昨年4月にクリエイティブディレクターに就任した、グラエム・フィドラーとマイケル・ヘルツの出現によって、“いまもっとも見ておくべきコレクションのひとつ”に返り咲き、トレンドを牽引する存在へとなった。彼らが、スイスの伝統あるラグジュアリーハウスに起こしたマジックとは?

「まず、バリーが真のヨーロッパ的なスピリットを反映するというあるべき姿にもどるために、ポジショニングを見つめなおす必要があると感じました」と、当時のバリーに対する思いを語るフィドラー。そのあるべき姿とは、現代的なコレクションと、ブランドがもつレザーの職人技をモダンに表現すること。そのために彼らがクリエイティブディレクターに就任したさいにおこなったことは、「バリーを深く理解すること」だった。

「ブランドがもつ豊富なアーカイブに長時間向き合うことにより、僕たちのなかでバリーの歴史と美学が結びつくようになりました。そこから自分たちのコレクションを築くインスピレーションとなり、本来のバリーのムードを進化させるものは何かを探し出したんです」

その何かとはずばり、すばらしいレザーの職人技術という。

BALLY|バリー 01

グラエム・フィドラーとマイケル・ヘルツ。

「最新コレクションには、将来僕たちが作りたいスタイルの土台ともいえるスタイルが詰まっていますが、バリーにはとてもプレイフルな側面があり、僕らが何かアクセントや意外性を足すことができる懐の広さがある。それは、バリーがレザーに取り組みつづけ、卓越した職人技術が宿ったアイテムを発表してきたことの証左なんです」

アーカイブはインスピレーション源の宝庫。今季はB・ヴューモのグラフィックをリミックス。

2011-12年秋冬ウィメンズコレクションは、1980年代に数かずのバリーのポスターを手がけた、ベルナール・ヴューモのグラフィックがインスピレーション源。

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ベルナール・ヴューモのグラフィック。

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「彼のグラフィックは、バレリーナ・シューズとバッグ、アクセサリーからなる『Bally-Rina(バリーリーナ)』コレクションに代表される、遊び心に溢れた気まぐれな雰囲気に反映されています。バリーのアーカイブに所蔵されているヴューモのオリジナル・ポスターからヒントを得たアートワークをプリントした、特別なシューズバッグが付属されています」

豊富なアーカイブを参照するのは、ブランドのヘリテージを再確認することだが、そこに現代性をどう伴わせるのかが最大の課題でもある。

「アーカイブは僕たちがバリーの歴史と繋がり、ブランドが表すものが何なのかを深く理解することを可能にします。だから、バリーのオーセンティックで遊び心溢れるスピリットをコレクションに反映させるために、僕たちはすべてのものを参考にしました。それが、創業160周年を迎えるバリーに対する顧客の期待を裏切らないことに繋がると思っているんです」

一見、現代性は不要だと言っているように聞こえなくもない。だが、彼らが発表するコレクションを見れば、現代性は一目瞭然だ。

160周年の記念ラインからは、ラグジュアリーな配色のカラフルなシューズや洗練されたシェイプのバッグ「ELLIE(エリー)」など、「エーデルワイス・コレクション」が登場する。ほかにも柔らかなシーリングでできたグラマラスな「Pina(ピナ)」のトートバッグなどがラインナップ。

スパイキーなアイスピック・メタルヒールは、豪奢なオストリッチやカーリーファー、クラシカルな花柄のジャカードなどと合わせられ、オーセンティックなタッセルシューズのブーティは、ヒール・イン・ヒールという斬新なデザインが添えられている。

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エーデルワイス・コレクション「ELLIE(エリー)」ショルダーバッグ[W23×H17×D8cm] 16万8000円

すべてのアイテムが、彼らが今シーズン描いた女性像=「スタイルをもっており、確信をもって選択できる女性」を体現している。それは、バリーが160年間にわたり築き上げてきたバリーウーマンそのもの。幸福すぎるほどのマッチングに成功したバリーとふたりのクリエイティブディレクター。160周年を迎え、がっちりと組み合った歯車はますます加速するばかりだ。

バリー・ジャパン
Tel. 03-6215-6609

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